自然栽培や有機が美味しい(傾向?にある)わけ Vol.3

自然栽培や有機が美味しい(傾向?にある)わけ

 

もう一つは細胞の形成速度。

 

例えばパン。

発酵させるためのイーストを多く入れると、当然早く大きく膨らみます。

(当店ではイーストは使用していませんが、例えとして分かりやすくイーストにしてます)

効率を優先させてイーストを多く配合し温度の高い場所で発酵させると細胞が粗くなり、

食感の悪い日持ちのしないパンが出来上がります。

またイーストの匂いも残り、素材の良さが残りません。

 

逆に少ないイーストで長時間・低温で発酵させるようなパン(バゲットやカンパーニュなど)は

細胞の引き締まった、小麦の香りの残る日持ちするパンになります。

 

私たちの目には見えない畑の中で起こっていることも、このパンと同じ“発酵”に似た原理です。

 

色素の形成が追い付かずちゃんと本来の色が出ていない野菜。

細胞が粗いため水分を保持できず、中身がスカスカの野菜。

 

化学肥料で無理に生長させられた野菜は細胞や組織を維持できない、

いわゆる美味しくない、《形だけの野菜》が出来上がります。

※もちろん、肥料を使用するポイントをうまくコントロールして、

美味しいと感じる野菜を“作る”(敢えて作ると表現しています)生産者もいます

 

 

人間も自分の好きなことは誰に言われるでもなく自分で勉強して、なかなか忘れません。

学校のテストなど、興味のないことを一夜漬けで勉強してもすぐに忘れてしまいます。

 

人間の脳細胞の形成と同じように、野菜も自分にとって必要な栄養を自分で選び、

好きなときに摂って、好きな時に自らの成長に使う。

 

そんな野菜が美味しくなるんだと思います。

 

野菜を一括りで考え、窒素・リン酸・カリウムをどれくらい施肥したか?どうこうで

味が出来るわけではないと、自然に寄り添い、自分たちの手を使って、

種から野菜を“育てる”(敢えて育てると表現しています)うちに

確信するようになりました。